Hermes AgentをローカルLLMで使う方法|接続手順

Hermes AgentをローカルLLMで使う方法のイメージ(ノートPCのエージェントと自分のマシンのGPUをつなぐ図)
悩んでる人

Hermes Agentって、結局ローカルLLMでも動くの?

情シス あおい

動きます。ただしコンテキスト長の設定を間違えると、起動の時点で止まります。

Hermes Agentは、Nous Researchが公開する自律型AIエージェントのソフトです。

無料で試せるため、API料金を気にせずエージェントの挙動を確認できます。

とはいえ、接続手順を一つ間違えるだけで、起動画面にすら進めないことがあります。

そこで、公式ドキュメントに基づく接続条件と注意点を、バックエンド別に整理しました。

今回は、Hermes AgentをローカルLLMに接続する手順と判断材料を紹介します。

この記事でわかること
  • Hermes AgentとNous Hermesモデルは別物で、公式サイトも1つだけということ
  • Ollama・LM Studio・vLLMなど、バックエンドごとに必要な接続設定
  • 「RAG対応」ではなく、スキルとメモリで学習するという正確な仕組み

先に接続手順だけ知りたい方はローカルLLMとの接続方法からどうぞ。

※本記事の手順は、Hermes Agent公式ドキュメントの記載にもとづいています(2026年10月確認)。

目次

Hermes Agentとは|自律型AIエージェントとNous Hermesモデルの違い

Hermes AgentとNous Hermesモデルが別物であることを示す図解。エージェントソフトとLLMモデルという2つの箱を並べ、開発元は同じNous Researchだが製品としては別であることを表している

Hermes Agentは、学習ループを内蔵した自律型のAIエージェントです。会話を重ねるほど、エージェント自身がスキルを増やしていく設計になっています。

できること|マルチプラットフォーム常駐と学習ループ

公式は、IDE常駐のコーディング支援でもチャットボットでもないと説明しています。

  • マルチプラットフォーム常駐:Telegram・Discord・Slack・WhatsApp・Signal・Email・CLIを1つのゲートウェイから操作できます
  • 学習ループ:複雑なタスクの後に自分でスキルを作り、使うたびに改善します
  • スケジュール実行:内蔵cronで日次レポートや夜間バックアップを無人実行できます
  • 実行環境7種:ローカル・Docker・SSHなど7種類から選べます

DaytonaやModalはサーバーレスのため、待機中のコストがほぼかかりません。

Nous Hermes(モデル)とHermes Agent(エージェントソフト)は別物

悩んでる人

Hermesって名前、どこかで見た気がするけど同じもの?

情シス あおい

別物です。開発元が同じNous Researchというだけで、製品としては分かれています。

Nous Hermesは、Hermes 2・3・4などのLLMモデルファミリーの名称です。

Hermes Agentは、そのモデルを含めた好きなモデルを動かす側の、エージェントソフトです。

Hermes AgentでNous Hermesモデルを動かすことはできますが、名前が同じだけの別製品という関係になります。

公式サイトは1つだけ|検索結果に出る非公式サイトへの注意

公式サイトはhermes-agent.nousresearch.comのみです。

公式リポジトリはGitHubのNousResearch/hermes-agentです。

検索結果には、同じ名前を使う別ドメインのサイトが複数表示されます。

インストールスクリプトの実行や有料プランへの登録は、上記2つの公式以外では行わないでください。

対応OS・必要環境|Windows・macOS・Linuxでの違い

Hermes AgentのOS別対応状況を示す図解。Apple Silicon・Windows・Linuxは対応、Intel Macは条件付きであることを示している

Hermes Agentは、Windows・macOS・Linuxすべてで動きます。ただしMacだけは、搭載チップの種類によって対応のレベルが変わります。

Apple SiliconとIntel Macの違い

Apple Silicon搭載Macは、公式インストーラ(Hermes-Setup.dmg)を含めて正式対応です。

Intel Macは、公式に「サポート対象外」と明記されています(2026年10月確認)。

ただし、CLI経由のインストールとhermes desktopの起動自体は可能です。

制限があるのは、ブートストラップ用インストーラ(Hermes-Setup.dmg)だけという整理です。

手元のMacがどちらのチップか、先に確認しておく必要があります。

ネイティブWindows対応とWSL2の使い分け

Windows 10・11(x86_64・aarch64)は、WSL2なしのネイティブ対応です。

MSIXパッケージを使う場合は、Windows 11の22H2以降が条件になります。

PowerShellからの1行インストールコマンドが、公式に用意されています。

iex (irm https://hermes-agent.nousresearch.com/install.ps1)

WSL2上でモデルサーバーに繋ぐ場合は、Windows側のlocalhostに直接届かないことがあります。

Windows 11 22H2以降なら、.wslconfigをmirroredモードに設定すると解決できます。

ローカルLLMとの接続方法|Ollama・LM Studio・vLLMでHermes Agentを使う

Hermes AgentとローカルLLMバックエンドの接続条件を示す図解。コンテキスト長64000トークン以上という必須条件と、Ollama・LM Studio・vLLMという3つの接続先を並べている

Hermes Agentは、OpenAI互換のAPIを話すサーバーなら、どれでも接続できます。ただし、コンテキスト長だけはどのバックエンドでも譲れない条件です。

共通の必須条件|コンテキスト長64,000トークン以上

Hermes Agentは、起動時に64,000トークン未満のコンテキスト長を拒否します。

パラメータ数より、コンテキスト長が足りているかの方が実質的な要件です。

公式はVRAMの目安を一切示していません。基準になるのは、あくまでコンテキスト長です。

Ollamaで接続する|コンテキスト長のハマりどころ

ollama pull qwen2.5-coder:32b
ollama serve

Ollamaは、hermes modelから「Custom endpoint」を選ぶだけで接続できます。

URLにはhttp://localhost:11434/v1を入力し、APIキーは空のままで構いません。

悩んでる人

せっかく繋いだのに、起動画面が出てこない…

情シス あおい

Ollamaのデフォルトのコンテキスト長が、そもそも足りていないかもしれません。

Ollamaのデフォルトコンテキスト長は、搭載VRAMによって大きく変わります。

スクロールできます
搭載VRAMOllamaのデフォルトコンテキスト長
24GB未満4,096トークン
24〜48GB32,768トークン
48GB以上256,000トークン

24GB未満の環境では、デフォルトのままだと64,000トークンに届きません。

OpenAI互換API経由では、コンテキスト長を直接指定できない点にも注意してください。

  1. 環境変数OLLAMA_CONTEXT_LENGTH=64000を指定してollama serveを起動する(最も手早い方法)
  2. systemd管理の場合はsystemctl edit ollama.serviceに環境変数を追記して再起動する
  3. ModelfileにPARAMETER num_ctx 64000を書いてモデル単位で永続化する

設定後は、ollama psのCONTEXT列で反映されているか確認できます。

Windowsから接続してもサーバーに届かない場合は、WSL2のネットワーク設定も確認してください。

LM Studioで接続する|公式統合ガイドの手順

lms server start
lms load qwen2.5-coder --context-length 64000

LM Studioは、公式が「ファーストクラスのプロバイダ」と明記する統合先です。

LM Studio公式の統合ガイドも、同じ内容を案内しています(2026年10月確認)。

hermes modelで「LM Studio」を選べば、動いているサーバーが自動で見つかります。

ツール呼び出しの対応は、LM Studio 0.3.6以降が条件です。

Just-In-Timeロードに切り替えると、必要な時だけモデルを読み込ませる運用もできます。

LM Studio自体には、「Chat with Documents」という文書検索機能が別途あります。

これはLM Studio単体の機能で、Hermes Agent側の機能ではありません。混同しないでください。

vLLM・llama.cppで接続する|ツール呼び出しフラグが必須

vllm serve meta-llama/Llama-3.1-70B-Instruct --port 8000 --max-model-len 65536 --enable-auto-tool-choice --tool-call-parser hermes

vLLMは、--enable-auto-tool-choiceと--tool-call-parser hermesの指定が必須です。

付けないと、ツール呼び出しが生のJSONテキストとして出力され、機能しません。

./build/bin/llama-server --jinja -fa -c 64000 -ngl 99 -m models/qwen2.5-coder-32b-instruct-Q4_K_M.gguf --port 8080

llama.cppも同様に、--jinjaフラグがないとtoolsパラメータ自体が無視されます。

並列スロット(-np)を使う場合は、合計コンテキストがスロット数で割られる点に注意してください。

SGLangという選択肢もありますが、デフォルトの最大出力トークンが128と小さめです。

応答が途切れる場合は、サーバー側で出力上限を調整する必要があります。

Ollama公式が示すHermes Agent向け推奨モデルのVRAM目安を示す図解。Gemma4が約16GB、Qwen3.6が約24GBという数値を並べている

Hermes Agent自身は、VRAMの基準を示していません。数字で示しているのは、統合先であるOllama公式のドキュメントです。

ワンコマンド導入「ollama launch hermes」

Ollamaには、Hermes Agentの導入からモデル選択・接続までを1コマンドで終える機能があります。

ollama launch hermes
ollama launch hermes-desktop

Hermesが未導入なら案内し、モデル選択から接続設定まで自動で進めてくれます。

手動セットアップ(hermes modelで選ぶ方法)との違いは、設定ファイルを自分で書くかどうかです。

Gemma 4・Qwen3.6のVRAM目安(Ollama公式値)

スクロールできます
区分モデル用途VRAM目安
ローカルGemma 4世代推論・コード生成約16GB
ローカルQwen3.6(Qwen3以降世代)推論・コーディング・視覚理解約24GB
クラウドkimi-k2.5:cloud 等4種推論・マルチモーダルー(クラウド実行)

この数値はOllama公式の統合ガイドに記載されたもので、Hermes Agent公式の基準ではありません。

Gemma 4世代は2026年7月時点でApache 2.0に変更されており、商用利用が可能です。

Qwen3以降の世代も、全面Apache 2.0です(いずれも世代ベースでの確認。2026年10月確認)。

搭載VRAM別にどこまでのモデルが動くかは、VRAM別に動かせるモデル一覧で詳しく確認できます。

MCP連携とメモリ・スキル機能|Hermes Agentは「RAG」ではない

Hermes Agentの機能がRAGではなくMCP接続とスキルによる学習型メモリであることを示す図解。RAGに×印、MCPとスキルに◯印を付けている

Hermes Agentには、外部データに繋ぐ仕組みがあります。ただし、それは一般的なベクトル検索型のRAGとは別の実装です。

MCPで外部ツールに接続する

MCP(Model Context Protocol)は、標準インストールに含まれています。

追加のインストールなしで、GitHubやデータベースなど外部のツールサーバーに接続できます。

mcp_servers:
  filesystem:
    command: "npx"
    args: ["-y", "@modelcontextprotocol/server-filesystem", "/home/user/projects"]

Nous社内で審査済みのMCPサーバーカタログがあり、デフォルトはすべて無効になっています。

Claude Codeの設定ファイルからの移行コマンドも、公式に用意されています。

永続メモリとスキル(knowledge-base skill)の仕組み

永続メモリは、MEMORY.mdとUSER.mdという2つのファイルで管理されます。

上限は合わせて約1,300トークン相当で、超える書き込みはエラーになります。

自動要約はされず、エージェント自身が内容を整理し直す設計です。

「RAGではない」の正確な理解

/learnコマンドで渡した文書は、索引付きの「スキル」として保存されます。

必要な部分だけをオンデマンドで読み込む仕組みで、ベクトル検索に基づく一般的なRAGとは実装が異なります。

公式ドキュメントにも、Hermes Agent自身の機能として「RAG」という語は使われていません。

「RAG対応」ではなく、スキルによる学習型のナレッジ管理というのが正確な理解です。

自律エージェントの安全機構|Hermes Agentの8層セキュリティモデル

Hermes Agentの8層の多層防御モデルを示す図解。承認モード・ファイル保護・コンテナ分離という3つの層を重なるシールドのアイコンで表している

Hermes Agentは、多層防御という考え方で複数の安全境界を設けています。

  • ユーザー認可(誰がエージェントと話せるか)
  • 危険コマンドの承認(Human-in-the-loop)
  • ファイル書き込みの拒否リスト
  • コンテナ分離(Docker・Singularity・Modal)
  • MCP認証情報のフィルタリング
  • コンテキストファイルのスキャン(プロンプトインジェクション検知)
  • セッション間の分離
  • 入力のサニタイズ(シェルインジェクション対策)

承認モードは3段階|smart・manual・off

危険なコマンドの扱いは、approvals.modeで3段階から選べます。

スクロールできます
モード挙動
smart(既定)補助LLMがリスクを評価し、不確実なものは人間に確認
manual危険コマンドは常に人間の承認を要求
off全チェック無効化(--yolo相当)

offモード(--yolo相当)を無条件に勧めるのは避けたほうが安全です。

どの段階から始めるかは、許可する操作の範囲を少しずつ広げていく発想と重なります。

ファイル書き込み保護とコンテナ分離

~/.ssh/や~/.aws/など、認証情報が入る場所は常時書き込み拒否です。

プロジェクト内の.env系ファイルは、書き込みはできても読み返しはできない設計です。

Dockerバックエンドを使う場合は、--cap-drop ALLで権限を落とし、プロセス数も256に制限されます。

Hermes Agentに関するよくある質問

Hermes Agentに関するよくある質問をまとめました。

Hermes AgentはRAGに対応していますか?

公式ドキュメントに「RAG」という語は使われていません。

MCP経由の外部接続と、スキルによる学習型のナレッジ管理が、最も近い機能です。

Nous HermesモデルとHermes Agentは同じものですか?

別物です。Nous Hermesはモデル、Hermes Agentはそれを動かすエージェントソフトです。

Ollamaでコンテキスト長が足りない場合はどうすればいいですか?

環境変数OLLAMA_CONTEXT_LENGTHやModelfileで、64,000トークン以上に設定し直します。

無料で商用利用できますか?

Hermes Agent自体はMITライセンスで、商用利用・改変・再配布に制限はありません(2026年10月確認)。

接続するモデル側のライセンスは、別途モデルごとに確認してください。

バージョンはどのくらいの頻度で更新されますか?

執筆時点の最新版はv0.21.6(2026-10-08公開)で、3〜7日おきに更新されています。

手順を試す前に、hermes updateで最新化しておくのが安全です。

まとめ|Hermes AgentをローカルLLMで動かす前に確認すること

Hermes AgentをローカルLLMで動かす前に確認すべき点を、ここまでの内容から整理しました。

この記事のまとめ

正体:Hermes Agentは自律型エージェントソフトで、Nous Hermesモデルとは別物です。

接続条件:どのバックエンドでも、コンテキスト長64,000トークン以上を求められます。

公式窓口:公式はhermes-agent.nousresearch.comとGitHubのみで、他は非公式です。

機能の正体:「RAG対応」ではなく、MCP接続とスキルによる学習型のメモリです。

バージョン:更新が速いため、試す前にhermes updateで最新化してください。

公式情報は数日単位で更新されるため、手順通りに進まない場合はまず公式Releasesで最新状況を確認します。

接続先のツール選びやモデル選定で迷ったら、以下もあわせて確認してみてください。

参考資料
Hermes Agent公式サイト
Hermes Agent公式GitHub
Ollama公式サイト
LM Studio公式サイト

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