悩んでる人BTOって結局、どのメーカーを選べばいいんですか……?



実は、メーカーによって「LLM向け」の訴求はかなり差があります。
自分が使いたいGPUクラスの電源要件が分かれば、完成品選びで失敗しにくくなります。
完成品の「LLM向け」という表記を、そのまま鵜呑みにしていませんか。
電源(PSU)容量が足りないまま完成品を選ぶと、届いてから起動できないことがあります。VRAM表記を見誤れば、動かしたいモデルがそもそも動きません。
「LLM向けと書いてあれば安心」と思われがちですが、その訴求の厚みはメーカーごとに大きく異なります。
今回は、BTO完成品とミニPCの「LLM向け」表記を、電源要件から整理します。
- BTOメーカーごとの「LLM向け」訴求の濃淡(パソコン工房・TSUKUMO・ドスパラ・マウスコンピューター)
- 楽天市場に実在する構成例が、GPU公式の必要電源をいずれも上回っていること
- 商品名の「〇〇GB」表記だけでは、VRAMかシステムメモリか統合メモリか見分けられないこと
この記事では、GPU単体を選ぶ自作ではなく、完成品(BTO・ミニPC)から選ぶ場合を扱います。
各社の公式ページと、楽天市場に実在する商品情報をもとに整理しました。
楽天市場の実例で見るPC構成と電源確認に実例をまとめています。そちらから読み進めても大丈夫です。
ローカルLLM PCおすすめ|自作せず完成品を選ぶ前に


PCの完成品には、大きく分けてBTO完成品PCとミニPCという2つの調達形態があります。
BTO完成品とミニPCという2つの調達形態
BTO完成品PCは、CPU・GPU・メモリ・電源をメーカーが選んで組み立てた既製品です。
ミニPCは、手のひらサイズの筐体に処理性能を1チップへ集約した製品です。どちらも、パーツを一つずつ選んで自分で組み立てる作業は発生しません。
まず今のPCで試したか|実機検証はMacBook Airのみ
完成品を選ぶ前に、今使っているPCで試したかを一度振り返ってみてください。
当サイトの実機検証は、MacBook Air(M1・16GB・ディスクリートGPU非搭載)を使ったものだけです。
MacでローカルLLMを動かす方法の記事では、7Bクラスなら実用に耐える結果を確認しました。
手元のPCで試して足りないと分かってから、完成品を検討しても遅くありません。
BTO各社PCの「LLM向け」訴求の濃淡


BTOメーカーは、「LLM向け」をどこまで前面に出すかでメーカーごとに大きな差があります。
パソコン工房は「LLM向け」を名乗る公式ページを持つ
パソコン工房のLLM向けワークステーションページは、名称そのものに「LLM向け」を掲げています。
7B・27B・70Bというモデルサイズ別に、必要なVRAM容量の目安を公式に提示しています。
GeForceやRadeonはゲーム向け最適化のため、長時間稼働の安定性にやや劣るとも明記されていました(2026年8月7日確認)。
TSUKUMOは「マルチGPU」、ドスパラは「AI PC」止まり
TSUKUMOのマルチGPU特設ページは、「LLM」に複数回言及しています。
GPU2枚構成で合計最大96GBのVRAMを扱える訴求で、研究開発寄りの位置づけでした。
一方のドスパラのAI開発向けPCページは、本文中に「LLM」という語がほとんど登場しません。
マウスコンピューターは編集記事止まり|4社比較表
マウスコンピューターの公式ブログは、ローカルAIを扱う記事を掲載しています。
ただし「LLM向け」を冠した専用の製品カテゴリページは、サイト内検索の範囲では見つかりませんでした。
「BTOはどこもLLM向けを謳っている」とひとまとめにはできない、というのがここまでの実態です。
| メーカー | 「LLM向け」公式ページ | 内容 |
|---|---|---|
| パソコン工房 | あり | 「LLM向けワークステーション」という名称の専用ページ |
| TSUKUMO | 部分的にあり | 「マルチGPU」特設ページ内でLLMに複数回言及 |
| ドスパラ | 限定的 | 「AI PC」の訴求が中心、LLM言及はわずか |
| マウスコンピューター | 未確認 | 編集記事はあるが専用カテゴリページなし |
各社公式ページの記載内容をもとにしています(2026年8月7日確認)。
楽天市場の実例で見るPC構成と電源確認


楽天市場に実在する構成例は、GPU公式の必要電源をいずれも上回っていました。
RTX 5060 Ti 16GB搭載の構成例
楽天市場のドスパラ公式ストアで、GeForce RTX 5060 Ti 16GB搭載の完成品を見つけました。
システムメモリ16GB・SSD 1TBという構成で、電源は650W(80PLUS BRONZE)を搭載しています。下記は、この構成に該当する商品の一例です。
※ 価格・情報は2026/9/7時点(楽天市場調べ)。変動する場合があります
商品ページの仕様表で、売り切れ・完売・中古・並行輸入の表記がないことを確認しています(2026年8月7日確認)。
予算を抑えたい方向けの構成はRTX 5060(8GB)が中心
予算を抑えたい方向けの構成を探すと、現行の新品完成品はRTX 5060シリーズが中心でした。
GPU単体パーツとしては流通していますが、完成品のラインアップはすでにRTX 50シリーズへ切り替わっています。
システムメモリ16GB(8GB×2)・SSD 500GBという構成で、電源は750W(80PLUS BRONZE)を搭載しています。
下記は、RTX 5060(ビデオメモリ8GB)を搭載した構成の一例です。
※ 価格・情報は2026/9/9時点(楽天市場調べ)。変動する場合があります
「予算を抑えたいならRTX 40シリーズ」という選び方は、現行の在庫状況では難しくなっています。
搭載電源(PSU)がGPU公式要件を満たしているか確認する
完成品は電源(PSU)が既に組み込まれていますが、GPU側の公式必要システム電源を満たしているかは確認が要ります。
NVIDIA公式によると、RTX 5060 Ti 16GBは600W、RTX 5060は550Wが必要システム電源です。
上記2商品はそれぞれ650W・750Wを搭載しており、公式の目安をどちらも上回っていました。
GPU単体を後から自分で載せ替える予定がないなら、この確認だけで足ります。
ミニPCという選択肢|GMKtecとMINISFORUM


ミニPCも、ローカルLLM向けの完成品としての選択肢です。
GMKtec EVO-X2の「LLM support」公式記載
GMKtec EVO-X2の公式製品ページには、「LLM support」という項目があります。
メモリ構成別に、動かせるモデル例まで公式に明記されていました(2026年8月7日確認)。
| メモリ構成 | 公式記載の対応モデル例 |
|---|---|
| 64GB+1TB | DeepSeek-R1 32B |
| 96GB+2TB | DeepSeek-R1 32B、GPT-OSS 120B |
| 128GB+2TB | DeepSeek-R1 32B・70B、Llama 4(109)、Qwen3 235B |
AMD Ryzen AI Max+ 395を搭載し、メモリはオンボードのLPDDR5X(増設不可)です。下記は、128GBメモリ構成の商品の一例です。
楽天市場の商品説明にも、「おすすめ用途:ローカルAI・LLM処理」という記載がありました。
MINISFORUM MS-S1 MAXも「Run 128B+ LLMs Locally」を掲げる
MINISFORUM MS-S1 MAXの公式製品ページは、ページタイトルが「160W AI Workstation for LM Studio」です。
同じくRyzen AI Max+ 395を搭載し、最大128GBの統合メモリで「VRAMの壁をなくす」とうたっています。
公式サイトには、4台クラスタでDeepSeek-R1 671B(Q4量子化)を動かした実測例も掲載されていました。
「RTX 4090比2.2倍」はメーカー公表値という注記
GMKtec・MINISFORUMいずれも、「LM Studioでの性能はRTX 4090比2.2倍」という数値を公式に掲げています。
独立検証の裏付けがない以上、この記事では判断の決め手にはせず参考情報として扱っています。統合メモリとデスクトップGPUのVRAMは、そもそも仕組みが異なります。
見落としがちなVRAM表記と統合メモリの罠


完成品を選ぶときは、商品名の「〇〇GB」表記だけで判断すると誤認することがあります。
商品名の「16GB」表記で誤認しかけた実例
ある完成品PCの商品名には「16GB」という表記があり、一見VRAM16GB版に見えました。
仕様表を本文まで確認すると、実際のGPUは「RTX 5060 Ti(8GB)」というVRAM8GB版でした(2026年8月7日確認)。
この記事では該当製品を候補から外し、VRAM値を仕様表本文で確認できた商品だけを紹介しています。
VRAMと統合メモリ(UMA)は仕組みが違う
BTO完成品のVRAMは、GPU専用のメモリで、システムメモリとは物理的に別に存在します。
一方でミニPCの統合メモリ(UMA)は、CPUとGPUが同じメモリ領域を共有する仕組みです。
数字上の容量だけを比べても、動かせるモデルの目安を正しく判断できません。
商品名でなく仕様表本文でVRAM値を確認する
判断の基準にすべきは、商品名ではなく仕様表本文に書かれたVRAM値です。
同じ「RTX 5060 Ti」という型番でも、8GB版と16GB版が併存している製品があります。
購入前には、商品ページの仕様表を最後までスクロールして確認する習慣をつけてください。
PC買いすぎ注意報|後から変えにくい完成品の落とし穴


ここまで見てきた注意点を踏まえても、上位クラスの完成品が魅力的に見えてくるかもしれません。
用途が決まる前にハイエンド構成を選ぶ必要はない
完成品は、あとから構成を変えにくい買い物です。7Bや8Bクラスを試す段階なら、RTX 5060クラス搭載の構成で十分に足ります。
ミニPCも同様で、64GBメモリ構成から始めて、足りなければ買い替えを検討する順番で問題ありません。
まず何をさせたいかを決め、そこから逆算する
先に動かしたいモデルを決めてから、それに見合う調達形態を選ぶほうが遠回りになりません。
候補モデルの絞り込み方は、ローカルLLMおすすめモデル比較の記事にまとめています。候補が決まってから、この記事に戻って調達形態を選ぶ順番がおすすめです。
ローカルLLM PCおすすめによくある質問
ローカルLLM用PCの選び方について、よくある質問をまとめました。
- BTOとミニPC、結局どちらを選べばいいですか?
-
拡張性を重視するならBTO完成品、省スペース・静音性を重視するならミニPCが候補です。どちらもGPU単体を自分で組み込む作業は不要です。
- RTX 4060やRTX 4070搭載の完成品はもう買えませんか?
-
大手BTO公式の楽天店には、2026年8月7日時点で新品完成品がありませんでした。
現行の新品完成品はRTX 50シリーズが中心で、RTX 5060がその代わりの位置づけです。
- ミニPCの「LLM support」はどこまで信用していいですか?
-
対応モデル例の記載自体は公式ページのものですが、性能倍率の訴求はメーカーの自社公表値です。独立検証ではない点を踏まえて、参考情報として受け止めてください。
- 搭載されている電源(PSU)で足りているか、どう確認しますか?
-
商品ページの電源容量と、搭載GPUのNVIDIA公式必要システム電源を見比べてください。
ミニPCはACアダプター駆動のため、デスクトップの「〇〇W電源」とは比較の軸が違います。
- 「システムメモリ16GB」と「VRAM16GB」は同じ意味ですか?
-
いいえ、まったく別物です。VRAMはGPU専用メモリ、システムメモリはCPU側のメモリです。
商品名だけで判断せず、仕様表本文でどちらの数値かを確認してください。
- PCの実機での動作確認はされていますか?
-
BTO・ミニPCいずれも、実機での動作確認は行っていません。公式ページと楽天市場の商品ページの範囲で記述しています。
まとめ|ローカルLLM PCおすすめの選び方
ローカルLLM用PCの選び方について、ここまでの内容を整理します。
調達形態:GPU単体を自作せず選ぶなら、BTO完成品とミニPCが候補です。
BTOメーカー:「LLM向け」の訴求の濃淡は、メーカーごとに大きく異なります。
ミニPC:対応モデル例は公式記載、性能倍率の訴求はメーカーの自社公表値です。
確認ポイント:搭載電源(PSU)とVRAM表記は、仕様表本文まで見て確認してください。
この記事には価格を書いていません。実売価格は日々変わり、確認した瞬間から古くなるからです。
だからこそ、公式仕様と実在する商品構成という、変わりにくい情報を軸にしました。判断に迷ったら、何をさせたいかを決めるところから始めてみてください。
調達形態と構成の候補が固まったら、あわせて次の記事も確認してみてください。
- ローカルLLMをMacで動かす方法:まず今のPCで試す方法を紹介しています
- ローカルLLMに必要なスペック:必要なVRAM・メモリの目安をまとめています
- ローカルLLM VRAM別早見表:容量クラスごとに動くモデルを一覧できます
- ローカルLLMおすすめモデル比較:用途別のモデル選びに使えます
- ローカルLLMモデル比較:量子化の仕組みを詳しく比較しています
- ローカルLLMのスペック(カテゴリトップ):PC・GPU関連の記事をまとめています
参考資料
LLM向けワークステーション | パソコン工房公式
マルチGPU特設ページ | TSUKUMO公式






コメント