悩んでる人結局、うちのPCで何が動くのか分からない……



結論から言うと、断定できる数字はほとんどありません。
目安になるのは、機種名やスペック表ではなくモデルのファイルサイズです。
とはいえ、公式が「◯GBあれば動く」と明記しているモデルはごくわずかしかありません。
だからこそ、実測したファイルサイズと公式記載の数値だけを判断材料にするのが確実です。
今回は、実測したファイルサイズと公式情報から必要スペックを判断する方法を解説します。
- 「◯GBあれば動く」と断定できるのはgpt-oss 20Bの16GBだけで、他は実測ファイルサイズから逆算する考え方
- M1 Mac 16GB×LM Studioの実機検証で分かった、12Bあたりという実用上限
- NVIDIA公式のVRAM搭載量とファイルサイズを照らし合わせる考え方
モデル自体は無料で試せます。実測データと公式情報、実機検証の3本柱で整理しました。
まずGPU搭載機のVRAM早見表を開いて、必要になったらここへ戻る読み方もおすすめです。
ローカルLLMスペック|結論と判断の3つの軸


ローカルLLMに必要なスペックは、ファイルサイズ・量子化方式・実行ツールの3つから判断します。
なぜこの3つの軸で見る必要があるのか、順番に確認します。
判断の軸は「ファイルサイズ・量子化・実行ツール」の3つ
ローカルLLMを動かすには、モデルのファイルサイズを載せられるだけのメモリが必要です。
そこに量子化方式(データの圧縮度合い)と実行ツールの仕様が重なって、実際に必要な容量が決まります。
なぜ「◯GBあれば動く」と断定できないのか
今回確認した範囲で、必要メモリのGB数値を公式が明記していたモデルはgpt-oss 20Bのみでした(2026年8月1日確認)。
Llama 3.1・Gemma 3・Qwen3・ELYZAのいずれも、公式モデルカードにGB数の記載はありません。
量子化方式や実行ツール、会話の長さ(コンテキスト長)によって、必要な容量が変わるためです。
本記事では、実測できる「ファイルサイズ」と、公式記載がある数値だけを事実として扱います。
この記事の範囲|GPU・PC選びは別記事に譲る
この記事は、必要スペックの「考え方」を整理するための記事です。
どのモデルを動かしたいかで、必要なスペックの目安も変わります。先に用途別のおすすめモデルを確認しておくと、この記事の数値がより具体的に読めます。
GPUやPCの具体的な機種選びは、この記事のあとに別記事で扱う予定です。本記事は判断材料の整理が目的です。
ローカルLLMスペック|実測7モデルのファイルサイズ一覧


公式配布元のファイルサイズを、実際にAPIで取得して確認しました。
まずは、実測した数値そのものを確認してください。
Hugging Face公式APIで実測した7モデル
Hugging Face公式APIのblobs=trueオプションで、実際に配布されているファイルの実サイズを取得しました(2026年8月1日確認)。
モデルカードの記述ではなく、実際に配布されているファイルのバイト数そのものです。
| モデル(世代) | 量子化 | ファイルサイズ(実測) | 配布元 |
|---|---|---|---|
| Llama 3.1 8B Instruct | Q4_K_M | 約4.58GB | bartowski |
| Gemma 3 12B it | Q4_K_M | 約6.80GB | ggml-org |
| Qwen3 8B | Q4_K_M | 約4.68GB | Qwen公式 |
| Qwen3 4B | Q4_K_M | 約2.33GB | Qwen公式 |
| Llama 3.2 3B Instruct | Q4_K_M | 約1.88GB | bartowski |
| gpt-oss-20b | MXFP4 | 約11.28GB | ggml-org |
| ELYZA-japanese-Llama-2-7b-instruct | q4_K_M | 約3.80GB | mmnga |
配布元には、開発元本人(Qwen公式)と、llama.cppプロジェクトの公式組織(ggml-org)があります。
加えて、変換で実績のあるコミュニティ配布者(bartowski・mmnga)の配布物も混在します。
Q4_K_MとMXFP4はどう違うのか
Q4_K_Mは、4bit量子化・K-quant・Medium精度を指す、コミュニティで広く使われる圧縮設定です。
元の16bit精度のモデルと比べて、ファイルサイズはおよそ4分の1程度になります。
gpt-oss-20bだけはMXFP4という異なる方式です。OpenAIが公式に採用したネイティブの量子化形式で、Q4_K_Mとの単純比較はできません。
「4bit相当に圧縮した結果」という点は、どちらの方式でも共通しています。
ファイルサイズは「載せるための最低ライン」
表の数値は、あくまでファイル単体のサイズです。
これをメモリに載せて実行するには、会話の文脈を保持するコンテキスト(KVキャッシュ)や、OS・アプリの消費分が上乗せされます。
上乗せ分の具体的なGB換算式を、公式が一般化して明記した情報源は見つかりませんでした(2026年8月1日確認)。
ファイルサイズは目安であり、実際に必要な容量にはさらに余裕を見る必要があります。
ローカルLLMスペック|量子化とメモリ共有の仕組み


なぜ量子化やメモリの共有方式が、動くか動かないかを左右するのかを整理します。
ポイントは、まず量子化の仕組みです。
量子化とは16bitを4bitに圧縮する技術
量子化とは、モデル内部の数値の精度を落として、ファイルサイズを小さくする圧縮技術を指します。
写真を高画質のまま保存するか、多少荒くても容量を抑えて保存するかの違いに近いものです。
精度を落としすぎると応答の質が下がるため、Q4_K_Mのように精度と軽さのバランスを取った設定が広く使われています。
Apple Siliconのユニファイドメモリという仕組み
Apple公式は、M1のメモリ設計を「高帯域・低遅延のメモリを単一パッケージ内の1つのプールにまとめる」と説明しています。
SoC内の全技術が、同じデータへ同じ場所からアクセスできる仕組みです(Apple公式ニュースリリース、2026年8月1日確認)。
Mac miniは16GB〜48GB、Mac Studioは36GB〜96GBの構成が用意されています(Apple公式サイト、2026年8月1日確認)。
llama.cppのCPU/GPUハイブリッド推論という選択肢
推論エンジンのllama.cpp公式READMEには「Apple Siliconはfirst-class citizen」とあります。
Metal・ARM NEONなどで最適化されている、という記載です(2026年8月1日確認)。
NVIDIA GPU向けのCUDAカーネル、AMD GPU向けのHIP経由の対応も用意されています。
CPUとGPUを組み合わせたハイブリッド推論により、総VRAM容量を超えるサイズのモデルも部分的に高速化できる、という記載もあります。
GPUがなくても動かせる選択肢がある一方、速度の違いは本記事では計測していません。
ローカルLLMスペック|LM StudioとOllamaの公式要件差


実行ツールによって、公式が示す要件の出し方が大きく違います。
まず、実機検証でも使ったLM Studioの公式要件から確認します。
LM Studio公式は「16GB推奨・8GBは小型モデル限定」
LM Studioの公式ドキュメントには、macOS版の要件が明記されています(2026年8月1日確認)。
Apple Silicon(M1〜M4)必須、macOS 14.0以降、16GB以上のRAMを推奨すると書かれています。
Windows版もRAM 16GB以上を推奨し、GPU使用時はVRAM 4GB以上を推奨と明記されています。
Ollama公式にRAM推奨値の記載はない
一方、Ollamaの公式ドキュメントには、汎用的なRAM推奨値の記載が見当たりませんでした(2026年8月1日確認)。
macOS・Windowsとも、対応OSやGPUドライバのバージョンのみが「System Requirements」として明記されています。
公式FAQには、必要メモリは並列実行数とコンテキスト長に比例して増える、という仕組みの説明があります。
具体的なGB換算値までは、公式に一般化された記載はありませんでした。
ツール別要件の比較表
ここまでの内容を、ツール別の比較表にまとめました。
ツールによって、公式のスペック目安の出し方そのものが違います。使うツールが決まっている場合は、そのツールの公式ドキュメントを先に確認してください。
ローカルLLMスペック|M1 Mac 16GBで実際に動かした結果


ここからは、実際にMacBook Air(M1・16GB)で動かした結果を紹介します(2026年7月時点の検証)。
まず、実際に動かした結果から見ていきます。
快適に動いた3モデルと実用に耐えなかった1モデル
実行ツールはLM Studio(設定はすべてデフォルト)を使いました。
| モデル名 | パラメータ数 | 結果 |
|---|---|---|
| Llama 3.1 8B Instruct | 8B | 快適に動作 |
| Gemma 3 12B it | 12B | 快適に動作 |
| ELYZA-japanese-Llama-2-7b-instruct | 7B | 快適に動作(日本語) |
| gpt-oss-20b | 20B | 起動はできたが重すぎて実用に耐えず |
この検証の詳しい手順や環境は、MacでローカルLLMを動かす方法にまとめています。
gpt-oss 20Bは公式16GB表記と実機の差が大きかった



公式に16GBで動くって書いてあるのに、なんで重かったの?



それはどちらも本当のことで、意味している中身が違うからです。
gpt-oss-20bの公式READMEには、MXFP4量子化により16GB以内のメモリで動作すると明記されています(2026年8月1日確認・変更なし)。
一方、実際にMacBook Air(M1・16GB)で動かすと、他アプリまで固まるほど重くなりました。
引っ越しに例えるなら、家具そのものは部屋に収まっても、搬入経路や梱包材の置き場まで含めると部屋がいっぱいになる状態に近いものです。
モデル単体の理論値と、OSや他アプリを含めた実運用の余裕は別物ということです。
12Bあたりが16GBメモリ機の実用上限
実践的な結論として、パラメータ数12Bあたりが16GBメモリ機の実用上限の目安になります。
実測ファイルサイズで見ても、Gemma 3 12B(約6.80GB)までは快適で、gpt-oss-20b(約11.28GB)は重すぎました。
ファイルサイズだけでは説明しきれない体験差もあり、モデルの内部構造による違いは特定していません。
ローカルLLMスペック|GPU搭載機のVRAM早見表


GPUを搭載したPCを検討する場合は、VRAM容量が判断材料になります。
まず、代表的なGPUのVRAM搭載量を確認します。
NVIDIA公式のVRAM搭載量一覧
NVIDIA公式のスペックページで、代表的なGeForce RTXシリーズのVRAM搭載量を確認しました(2026年8月1日確認)。
| GPU | VRAM | メモリ種別 |
|---|---|---|
| GeForce RTX 4060 | 8GB | GDDR6 |
| GeForce RTX 4060 Ti | 8GB/16GB | GDDR6 |
| GeForce RTX 4070 | 12GB | GDDR6X |
| GeForce RTX 4090 | 24GB | GDDR6X |
| GeForce RTX 5090 | 32GB | GDDR7 |
VRAM搭載量そのものは、公式に実在確認済みの事実として使えます。
VRAM搭載量とファイルサイズの照らし合わせ方
「このVRAM量ならこのモデルが動く」という組み合わせを公式に示した対応表は見つかりませんでした(2026年8月1日確認)。
使えるのは、実測ファイルサイズと照らして、余裕を持ったVRAM量が必要になる、という考え方です。
例えば約11GBのファイルサイズのモデルを、VRAM8GBのGPUだけに載せきるのは前提から難しく、コンテキスト分の余裕もさらに必要です。
個別GPU・PCの選び方は別記事に譲る
具体的なGPUの選び方・BTO PCの構成・VRAM別のモデル選定は、この記事のあとに別記事で扱う予定です。
まずは、この記事の実測データと公式情報で「桁が合っているか」を確認するところから始めてください。
ローカルLLMスペックによくある質問
ローカルLLMのスペックに関するよくある質問をまとめました。
- 結局、何GBのメモリがあれば動きますか?
-
断定できるのはgpt-oss 20Bの「16GB以内」という公式記載だけです。
他のモデルは、実測ファイルサイズに余裕を加えた容量が目安になります。
- ファイルサイズと同じ容量のメモリがあれば十分ですか?
-
いいえ。会話の文脈を保持するコンテキストや、OS・アプリの消費分がさらに上乗せされます。
ファイルサイズは最低ラインと捉えてください。
- Macならメモリ容量がそのまま上限になりますか?
-
Apple SiliconはCPU・GPUがメモリを共有するユニファイドメモリを採用しています。
実機検証でも、搭載メモリがそのまま上限に近い形で表れました。
- Ollamaは公式にメモリ要件を示していませんか?
-
2026年8月1日確認の時点で、公式に一般的なRAM・VRAM推奨値の記載は見当たりませんでした。
LM Studioとは、要件の示し方そのものが異なります。
- VRAM8GBのGPUで動くモデルはありますか?
-
断定はできませんが、実測ファイルサイズが数GB程度の軽量モデルは選択肢に入ります。
軽量な部類に入るのは、Llama 3.2 3BやQwen3 4Bです。
- gpt-oss 20Bは結局、軽いのか重いのか?
-
公式には16GB以内で動作するとありますが、実機(M1 Mac 16GB)では他アプリまで重くなりました。
理論値と実運用の余裕は別物だと考えてください。
- どのGPU・PCを買えばいいですか?
-
本記事は判断の考え方を整理する記事のため、個別の機種選びは扱っていません。
まずは、どのモデルを使いたいかを用途別のおすすめモデルの記事で確認してください(この記事の本文の前半でも紹介しています)。
まとめ|ローカルLLMスペックは実測と公式情報で判断する
ローカルLLMに必要なスペックについて、ここまでの内容を整理すると次の通りです。
判断の軸:ファイルサイズ・量子化・実行ツールの3つで見ます。
断定できる数値:公式記載があるのはgpt-oss 20Bの「16GB以内」のみです。
実機検証:M1 Mac 16GB×LM Studioでは、12Bあたりが実用上限でした。
GPU選び:VRAM搭載量は公式値を使いつつ、組み合わせの断定は避けます。
断定できないことを正直に書くのは、遠回りに見えて一番確実な判断材料になります。
迷ったら、まずは実測ファイルサイズが小さいモデルから試すのがおすすめです。
手元のPCで何が動くか気になったら、次の記事もあわせて確認してみてください。
- ローカルLLMおすすめモデル比較:用途別のおすすめモデルを確認できます
- ローカルLLMをMacで動かす方法:今回の実機検証の詳しい手順を確認できます
- ローカルLLMでできること・できないこと:gpt-oss 20Bのように重すぎたモデルの扱いも整理しています
- ローカルLLMとクラウドLLMの違い:性能差が生まれる理由を詳しく確認できます
- ローカルLLMのおすすめ(カテゴリトップ):モデル選びの記事をまとめて確認できます
- ローカルLLMの作り方(カテゴリトップ):他の環境での構築手順もまとめて確認できます
参考資料
gpt-oss-20b | Hugging Face
System Requirements | LM Studio Docs
Ollama公式サイト






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